2000万円あったら投資先はどうする?資産運用方法別10年シミュレーション

2019年に話題になった「老後2000万円問題」。簡単に言えば、老後の資金として2000万円もの不足金を公的年金以外で補っていく必要があるといった金融庁が出した試算のこと。

では現在貯金が2000万円ある方は、この問題は解決したと言えるのでしょうか。結論から言うと、老後資金は2000万円では足りないため、投資による資産運用をするべきです。

本記事では、シミュレーションを交えながら以下を徹底解説します。

この記事で分かること
  • 老後はなぜ2000万円あっても足りないのか
  • 2000万円を投資運用して効率的に資産を増やすべき理由やメリット
  • 投資タイプ別に見る2000万円のおすすめの運用方法8選
  • 2000万円を運用するときの成功のポイント

それでは、本記事をきっかけに2000万円の資産運用へ向けて一歩を踏み出しましょう!

おすすめの運用方法8選
  • ヘッジファンド
  • 不動産投資
  • 投資信託
  • 定期預金
  • 個人向け国債
  • 株式投資
  • 先物取引
  • FX(外国為替証拠金取引)
目次

貯金じゃだめ?2000万円を資産運用するべき理由

「運用に失敗したら怖いし、2000万円は資産運用せず元本保証の銀行に貯金しておこう」という方もいるでしょう。

しかし資産運用せず、貯金2000万円をただ寝かせておくのにも大きなリスクがあるのをご存知ですか?

2000万円を貯金ではなく資産運用するべき理由は、4つあります。

資産運用すべき理由
  • 「老後2,000万円問題」資金は2000万円以上必要になる可能性も
  • 超低金利時代で銀行の預貯金では利回りを期待できない
  • 銀行の預貯金はインフレの影響を受けるリスクがある
  • 2000万円あっても11年しか暮らせない

ひとつずつ見ていきましょう。

「老後2000万円問題」2000万円以上必要になる可能性も

2019年金融庁から発表された、いわゆる「老後2,000万円問題」は、皆さんもきっと記憶に新しいはず。

「老後2,000万円問題」とは

「老後2,000万円問題」とは

2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書に掲載された試算の報告。

収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる

引用:金融審議会|市場ワーキング・グループ報告書

簡単に説明すると、

高齢夫婦無職世帯の生活費は、1ヵ月あたり約26.3万円がかかると言われています。

対して年金年収は20.9万円なので、1ヵ月あたり約5万円の不足が生じることに。

つまり、老後が20年だった場合は約1,300万円、30年だった場合は約2,000万円もの赤字がでるという試算が報告されました。

老後2000万円問題2019年

1300万円~2000万円もの不足金を公的年金以外で補っていく必要があるといった金融庁からの発表は、いわゆる「老後2,000万円問題」として話題を集めました。

しかし、この試算報告が発表されて4年が過ぎた現在、止まらない物価高騰の影響で不足金は当時の2000万円をゆうに超えるとの指摘も。

経済評論家の加谷珪一氏の試算によると、当時の年金収入が続くと仮定して現在の物価高をあてはめた場合、老後30年で約2400万円もの資金が必要になることがわかったのです。

支出:27万5381円ー収入:20万9198円=差額:6万6183円
差額:6万6183円×30年=不足:2382万5880円

今後も物価高騰の長期化が懸念されていることに加えて、少子高齢化による年金の引き下げなど、物価に対して収入が少なくなっていく可能性も考えられます。

また、老後に旅行や趣味などの時間を楽しみたいなど、このモデルケースより支出が増えることも視野に入れると、老後資金は2000万円よりも多くの資金が必要になることがイメージできるのではないでしょうか。

なぜ銀行の貯金ではだめなのか?

岸田政権では、「貯蓄より投資」を推奨しています。

貯蓄から「貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現する」と表明。

NISAの充実化や金融経済教育の推進など、国をあげて投資のしやすい環境を整備しています。

しかし、「お金のデザイン」(東京)が2022年に全国の50~70代の男女1000人(保有金融資産1億円未満)を対象に行った調査によると、老後の資金のために銀行の定期預金と普通預金を活用していると答えたのが全体の約62%にものぼるのが現状です。


(引用:お金のデザイン

また、投資の印象について聞いたところ、ネガティブな意見が目立ちました。

ネガティブな意見一覧
  • 「リスクがあるものに頼る気はしない」
  • 「リスクが高く、ギャンブル性が高い。」
  • 「よく知らないので、投資しようと思えない」
  • 「 投資は怖いイメージで貯蓄の方が良いと思う」
  • 「現在の日本では投資は不安のほうが強い」
  • 「貯金がなくなったら困るから」 など

この調査が行われた当時50~70代の方は、バブル時代全盛期の1985年当時10~30代。

バブル時代全盛期の当時、ご両親やご本人が銀行にお金を預けて金利だけで利益を得た経験のある方や、投資に対して悪いイメージある方がこのような意見を出されていることが予想できます。

しかし、超低金利時代・少子高齢化社会による年金の引き下げ・物価高騰がつづく現代でも、同じことが言えるのでしょうか?

なぜ銀行の貯金ではリスクがあるのか、続けて解説します。

超低金利時代で銀行の預貯金では利回りを期待できない

銀行の普通預金の金利が5%を超えていたバブル時代。

銀行や郵便局にただ「預けているだけ」で資産が増えていきました。

この当時の記憶から、「銀行に預けておけば安心だし、金利でお金が増えていく」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。

しかし、バブル経済が崩壊後、日本銀行は「ゼロ金利政策」を敢行し、現在までつづく超低金利時代に突入。

バブル時代に5%もあった金利は、現在もっとも高い金利で0.2%程度にも落ち込みました。


(引用:日本銀行

例えば、2000万円を1年間普通預金に預けた場合を比較すると、1985年には100万円もの利息を受け取れていたのが、現在では良くても4万円しか受け取れないということになるのです。

1985年2023年
金利5%0.2%
1年後100万円4万円
総額2,100万円2,004万円

更に、銀行の普通預金にお金を預けた場合、お金が増えないどころかインフレの影響で資産が減ってしまう可能性もあります。

銀行の預貯金はインフレの影響を受けるリスクがある

物価上昇がつづく昨今、銀行の預貯金ではインフレの影響を受ける可能性があります。

インフレ/デフレとは

インフレ(インフレーション)/ デフレ(デフレーション)とは

インフレ(インフレーション)とは、モノの価値がお金の価値より高くなることを指し、対してデフレ(デフレーション)とは、物価が下がり続けて、お金の価値が上がる状態のことを言います。

例えば、モノの価値が上がり、100円で買えたリンゴが200円になってしまう状態がインフレです。

反対に、100円で買っていたリンゴが50円で買える状態がデフレということになります。

インフレvsデフレ

デフレの時代においてはお金の価値が上がっているので、「現金は最強の投資対象」などと言われてきましたが、インフレ時代ではまったく逆の状態になります。

インフレがつづく昨今ですが、2022年4月の物価上昇率は日銀が掲げる物価目標の2%を達成し、12月にはなんと4%にも到達しました。

消費者物価指数2022年12月
(引用:日本経済新聞

インフレが進んでいる場合、銀行の預貯金だけで資産を管理している人は、物価が上昇した分だけその資産を失うということになります。

2023年は物価の上昇率は約2~3%に鈍るとの予測がされていますが、仮にこの先10年間の物価上昇率が2%だったとし、資産が2,000万円あった場合、この資産が10年後にはいくらに減ってしまうのかを以下の計算式に当てはめて計算しました。

資産価値計算

すると2000万円の実質価値は1600万円にも下がることになり、400万円は使ってもいないのに自然と価値が失われてしまうことがわかりました。

約400万円を失わないためには10年間、2%の金利を維持する必要がありますが、現時点で銀行の普通預金の金利は良くても0.2%ですから、これを補うことができません。

せっかく手にした2000万円がインフレの影響を受けて減ってしまうともったいないので、銀行の預貯金よりも利回り率が高い資産運用をする必要があるということなのです。

ここで補足なのですが、インフレ率2%がつづくと仮定して、資産運用をした場合にどのような影響がでるのか、実質的な資産価値を計算してみました。

実質
利回り
利回り2%で運用利回り4%で運用利回り10%で運用
2-2=2%4-2=2%10-2=8%
1年2,000万2,040万2,160万
5年2,000万2,208万2,938万
10年2,000万2,437万4,317万
20年2,000万2,971万9,321万

利回り2%で資産運用した場合、資産価値が目減りするのを防いではいるものの、資産は全く増えていきません。

一方、利回り4%で運用した場合と10%で運用している場合は、どちらもインフレ率を吸収できている上に、利回り率が高ければ高いほど実質的な資産価値を安定的に増やせていけることがわかりますね。

このように、資産運用をするにしても、利回り率によってはインフレの影響が将来の資産額にも大きく関わってくることをおわかりいただけたはずです。

2000万円あっても11年しか暮らせない

皆さんは、2000万円があったら何年暮らせると思いますか?

2021年に総務省が発表した「家計調査 家計収支編」では、単身世帯の1か月あたりの平均消費支出は約15万円。

内訳としては以下の通りです。

食費38,410円
住居22,116円
光熱・水道11383円
交通・通信18,856円
保険医療7,625円
教養・娯楽17,106円

この調査では持ち家率が56.1%と高く、住居費の平均額が低くなっています。

では、20歳から単身世帯になったとして、持ち家があり、娯楽や趣味をあまり楽しまず、大きな病気もなく月15万円でつつましやかに生活をした場合、2000万円で何年暮らせるのでしょうか。

2000万円で何年暮らせるか

2000万円 ÷ 180万円(平均消費支出15万円×1年) = 約11年

答えは、約11年、31歳まででした。

今から110年くらい前、1900年ごろの世界の平均寿命は31歳。

この時代なら十分な額だったかもしれません。

では、現在の日本の平均寿命まで生きると仮定した場合、いくら必要になるのでしょうか。

2021年に厚生労働省から発表された日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性は87歳です。

仮に85歳まで生きると仮定した場合、20歳から65年は暮らせるお金が必要になります。

65年生きるための資金

平均消費支出15万円 × 65年 = 約1億1700万円

前述のようにつつましやかに生活したとしても、65年で約1億7000万円が必要だということがわかります。

以下の表は、同じ条件で計算した場合、85歳までにいくら必要なのかを年齢別にまとめた表です。

現在の年齢85歳まであといくら必要?
20歳65年1億1,700万円
30歳55年9,900万円
40歳45年8,100万円
50歳35年6,300万円
60歳25年4,500万円
70歳15年2,700万円
80歳5年900万円

何度も言いますがこの条件は、20歳から単身世帯になったとして、持ち家があり、娯楽や趣味をあまり楽しまず、大きな病気もなく月15万円でつつましやかに生活をした場合です。

ほとんどの方の場合、家族がいる方や、持ち家の無い方、娯楽や趣味などを楽しみたい方など、1か月の支出額がこの平均額よりかかる方のほうが多いことを忘れてはいけません。

「人生100年時代」とも言われる昨今、2000万円を手にしたからと言って、投資などで収入を得る準備もしないまますぐ仕事を辞めてしまったりするのは危険と言えるでしょう。

2000万円で資産運用を行うメリット

また、2000万円で資産運用を行うメリットとして、以下の2つが挙げられます。

メリット
  • 早期リタイア(FIRE)ができる
  • 効率的に資産を増やせる

それぞれ見ていきましょう。

早期リタイア(FIRE)ができる

近年、新たなライフスタイルとして注目される「FIRE」。

端的に言えば経済的自由を得て、生活のための仕事から解放されることです。

では、2000万円があればFIREも可能なのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

FIREとは?

FIREとは、「Finanncial Independence Retire Early」の頭文字から作られた言葉で、日本語では「経済的自立と早期リタイア」と訳されます。

fire

元々は欧米を中心に流行していた考え方でしたが、近年では日本でも注目されるように。

FIREも従来の早期リタイアも、より自由な生活を送ることを目的として、定年を待たずにリタイアする点は同じですが、FIREの場合は一生暮らすのに困らないような億万長者になることがリタイアの前提ではない点です。

FIREの目標

FIREにおける早期リタイアでは、生活費などを減らして投資を増やし、投資による収入(不労所得)を得ることでFIREの実現を目指します。

FIREに必要な資産はいくら?

FIREを実現するために必要な資産は、年間支出の25倍。

これは、アメリカの大学の論文をもとに「4%ルール」が根拠とされ、資産を年4%で運用し、増えた4%分を切り崩して生活すれば、資産が目減りしないという考え方に基づいています。

年間支出(月)FIREに必要な資産
80万円(6万7,000円)2,000万円
100万円(8万3,000円)2,500万円
200万円(17万円)5,000万円
300万円(25万円)7,500万円
400万円(33万円)1億円

つまり理論上は、年間支出80万円(月6万7000円程)で生活できる場合、2000万円があれば利回り4%が期待できる投資運用をすることでFIREを実現することができるのです。

ちなみに、FIREには大きく分けて「フルFIRE」と「サイドFIRE」があります。

「フルFIRE」はこれまでの説明のように、仕事を完全に辞めて不労所得だけで生活することを指します。

一方「サイドFIRE」は、不労所得を得ながらもある程度は働いて収入を得ながら生活することを言います。

2000万円があればフルFIREができることが先ほどの検証でわかりましたが、

生活費が月6万7000円では生活が厳しくなる
「仕事を辞めてしまうのは、万が一の時に不安」
「せっかく積み立てた退職金がもったいない」

という方は、時短勤務を選んだり、好きな仕事を選んだりと、自由度の高い働き方で収入を得ながら「サイドFIRE」を選択するのもいいですね。

フルFIREはもちろんですが、サイドFIREを選択したとしても、生きるための主な資金は「あなた」ではなく、「お金」が働いて作ってくれますから、精神的余裕が生じるのは言うまでもありません。

FIREを叶えるための理想的な投資先は、低リスクでリターンが大きいもの。

ズバリFIREを実現するためのおすすめ投資先はヘッジファンドです。

ヘッジファンドは、投資銀行や証券会社の運用部門出身のプロが、顧客の資金を預かり代わりに管理運用をしてくれる投資先。

プロによるリスクヘッジを行いながら、最大限利益を追求します。それは、ヘッジファンドの収益源が成功報酬だからです。

つまり、ヘッジファンドは運用で稼げば稼ぐほど収入が大きくなります。もちろんその分顧客資産も増えるのでwin-winという訳です。

ヘッジファンドについてより詳しくはこちらで解説しているので、参考にしてみてください。

効率的に資産を増やせる|運用シミュレーション

基本的に資産運用は、投資金額が多ければ多いほど効果的です。

投資元本の大きさと利益は比例しますので、同じ利回りで資産運用するにしても、少額投資より何倍も高い投資効率で資産運用をすることができるのです。

例えば、1万円と2000万円を投資した場合、1%値上がりしたときの利益を比較してみましょう。

1万円投資2,000万円投資
1%値上がりしたときの利益100円20万円

同じ1%の値上がりでも、1万円を投資した場合には100円しか受け取れなかった利益は、2000万円を投資した場合、20万円もの利益を受け取れることが分かります。

またこちらは、利回り別に2000万円を10年間資産運用した場合のシミュレーションを表と図にしたものです。

2000万円シミュレーション
利回り1年後3年後5年後7年後10年後
1%2,020万円2,060万円2,102万円2,144万円2,209万円
3%2,060万円2,185万円2,318万円2,459万円2,687万円
5%2,100万円2,315万円2,552万円2,814万円3,257万円
7%2,140万円2,450万円2,805万円3,211万円3,934万円
10%2,200万円2,662万円3,221万円3,897万円5,187万円

2000万円を利回り1%で運用した場合でも、10年後には209万円もの利益を受けとることができ、利回り高めの7%で運用した場合、10年後には資産が約2倍の4000万円近くにもなることが分かりますね。

このように2000万円という大きな金額で資産運用を行う場合、運用利回りが1%や3%と低くても、効率的に利益を得る事ができる上に、積極的な運用をした場合はより高い利益を期待することができるのです。

結論|効率的に資産を増やすために資産運用をするべき

ここまでの解説から結論として、

効率的に将来のための資産を増やすためにも、2000万円あったら資産運用をするべきだということがお分かりいただけたはずです。

ここまでのおさらい

2000万円あったら資産運用をするべき理由

  • 「老後2000万円問題」は今後2000万円以上必要になる可能性も
  • 超低金利時代で銀行の預貯金では利回りを期待できない
  • 銀行の預貯金はインフレの影響を受けるリスクがある
  • 2000万円あっても11年しか暮らせない

主婦投資ブロガーはる
インフレによる資産価値の下落に加えて、年金や頼りの退職金も減少傾向にあるため、安全な運用で2000万円の資産をさらに増やしていけるかどうかが、あなたの将来を大きく左右するになるでしょう。

次の章ではいよいよ、2,000万円の資産運用方法をご紹介します。

投資者タイプ別!2000万円の資産運用方法8選

一人ひとり性格や考え方が異なるように、資産運用ポリシーも投資家によって異なります。

ここでは以下の4つの投資者タイプに分けて2000万円のおすすめの運用方法をご紹介。ご自身のタイプに適した投資先をチェックしてみましょう。

1.手間がかかっても身近な商品から始めたい人

最初にご紹介するのは、投資先の選定や出資後の管理に手間がかかるものの、私たちの生活に身近な運用方法です。

1-1. 不動産投資

不動産とは.
期待利回り4%~5%
メリット・インカムゲイン、キャピタルゲインの両方の収益を狙える
・ローン利用によるレバレッジ効果が期待できる
デメリット・投資物件の選定、メンテナンスに手間がかかる
・空室リスクや災害リスク
・流動性が低い
不動産投資の始め方物件選定・購入して入居者を募集
※その後の物件管理も行う

不動産投資では、基本的に以下の二つの方法で利益を得ることが出来ます。

2つの方法

「インカムゲイン」所有不動産を貸し出すことにより得られる家賃収入

「キャピタルゲイン」所有不動産の価格が、購入時金額よりも上がることで得られる売却益

購入する不動産を担保に金融機関で住宅ローンを組めれば、限られた自己資金で投資を始めて収益性を高めるレバレッジ効果も期待できます。

レバレッジとは

自己資金と借入金を併用することで、自己資金以上の取引を行なうこと。

不動産におけるレバレッジ効果

一方で不動産投資には、所有物件に空室が発生して利回りが低くなったり、老朽化した建物の修繕やメンテナンスに手間や費用がかかったり、売りたい時に買い手がつかなかったりなどの運用リスクもあります。

そのため購入する不動産物件を選ぶ際は、需要の高さや万一災害にあった場合に備えた保険への加入など様々な面から検討する必要があります。

主婦投資ブロガーはる
期待利回りは4%~5%で定期的な家賃収入が得られる不動産投資ですが、おすすめなのは運用に時間と手間を割ける人と言えそうです。

1-2. 投資信託

投資信託
期待利回り3~4%
メリット・手間がかからない
・少額から投資を始められる
・商品数が多い
・NISAやiDeCoの対応商品もある
デメリット・運用成績に関わらず手数料がかかる
・下落相場では利益が出にくい
始め方証券会社で口座開設し入金。
投資したいファンドを選んで購入。

投資信託は資産運用をプロに任せられる投資方法。投資家から集めた資金をまとめてファンドマネージャーが運用し、運用利益を投資家に分配します。

出資する投資信託ファンドを選ぶ前こそ、事前の調査やポートフォリオの検討が必要ですが、出資してしまえば手間要らずで運用することが可能。

100円~1万円ほどの少額から投資可能なので、初心者や手軽に投資を始めたい人におすすめの運用先です

投資信託にはつみたてNISAやiDeCoといった税制優遇対象商品もあるほか、債券や株式をはじめ、個人では挑戦しづらい海外ファンド等まで種類が豊富なため、自分にぴったりの投資先を選びやすいのも魅力の1つですね。

一方投資信託のマイナス点としては、下落相場では利益を出しにくいという性質と固定で掛かる手数料です

投資信託は、TOPIXや日経平均などの「ベンチマーク(ファンドの投資対象に合った指数)」を上回ることを目標とする「相対収益」で運用されています。そのため市場全体が下落するような局面では、運用成績がマイナスになってもベンチマークを上回ってさえいれば良しとされてしまいます。

またファンドの購入時と売却時にも手数料がかかることが多く、さらに投資信託の保有期間中には「信託報酬」という手数料を支払い続けなければなりません。

この信託報酬は、下の図のように1%違うだけでも手元に残る資産額に差が出てしまうので、投資信託を選ぶ際はこのコストをどれだけ低く抑えられるかしっかり吟味する必要があります。

信託報酬率が1%違う場合の資産総額の差のイメージ

主婦投資ブロガーはる
近年、インデックス投資型(日経平均株価やTOPIXといった指標と同じ値動きを目指して運用する投資法)のファンドは信託報酬が引き下げ傾向にありますよ。

2.手間をかけずにハイリターンを狙いたい人向け

リターンはしっかり欲しいけど、不動産投資や投資信託のように数ある投資先を比較して購入し、購入後の運用状態にあわせて調整するのは面倒!という方にはヘッジファンドがおすすめです。

2-1. ヘッジファンド

ヘッジファンド
期待利回り10%
メリット・手間がかからない
・年利10%以上の高リターンが期待できる
・絶対収益で運用
・成功報酬制
デメリット・最低投資額が500~1000万円程度と高額
・情報集めが難しい
・引き出しに制限がかかる
始め方ファンドに問い合わせ・面談して入金

ヘッジファンドも投資のプロであるファンドマネージャーが投資家から集めた資産を運用してくれるため、投資の手間がかかりません。

同じく投資のプロが運用する投資信託との大きな違いは、より高い利回りが期待できることでしょう

ヘッジファンドは投資信託と比べて運用の自由度が高く、多種多様な運用手法が駆使できるため、下げ相場に耐性があり年利10%以上のまとまったリターンも期待できます。

また既出の通り、投資信託が「相対収益」で運用するのに対し、ヘッジファンは相場環境に関わらず常にプラスの収益を目指す「絶対収益」の方針で運用するため、相場全体の流れが良くない時でも積極的に利益を狙いに行きます

手数料も運用で挙げた利益に対して発生する成功報酬を主な収入源としているため、運用にも自然と熱が入るという訳です。

一方でヘッジファンドは最低投資額が高いのが難点。海外ヘッジファンドは億を超える資産が必要であるため、一般の投資初心者の方は最低投資額が低めの国内ヘッジファンドから始めるのがおすすめです。

日本国内のヘッジファンドの例
ハイクア・インターナショナルベトナムへの事業融資で利回り12%(固定)
アクショントレイダーズインベストメント元代表取締役によるアクティビスト投資
GFマネジメント日本の大型株で年間平均リターン29%

▶国内おすすめヘッジファンドの比較・ランキング記事はこちら!

主婦投資ブロガーはる
ヘッジファンドは最低投資額が500~1000万円程度と投資ハードルはやや高めですが、2000万円の資産がある方は既に条件をクリアされているので大きな問題にはならないでしょう。

3.安全・低リスクな分散投資先をお探しの人向け

続いては安全第一の低リスクな運用商品。元本損失リスクが非常に低い代わりに利回りも低く、資産運用効果は低いのが特徴。

そのためこれからの金融商品だけで資産運用するというよりは、リスクヘッジのための分散投資先の1つとして見当すると良いでしょう

3-1. 定期預金

定期預金とは
期待利回り0.002%~0.4%
メリット・元本保証(預金保険制度)
・手間がかからない
デメリット・金利が低くお金がほとんど増えない
・満期前に解約すると利息の利率がさらに下がる
始め方銀行窓口(ネット銀行はHP)で口座開設して入金

銀行口座へ預けた金額を一定期間引き出せない代わりに、普通預金よりも高い金利が設定されている定期預金。

万が一銀行が倒産しても、預金保険制度(ペイオフ)によって合計1000万円までの預金とその利息が保証されるため安全性の高い元本保証の金融商品です。

しかし現在多くの金融機関の定期預金の金利はたった0.002%

2000万円を10年間預入れても利益は4000円程度です。

長期間預金しても資産の増加は期待できないため、資産が目減りしないよう他の運用方法と一緒に利用するのがおすすめです

主婦投資ブロガーはる
店舗を構えずインターネット上での取引を中心とするネット銀行なら、少しですが0.002%よりも有利な金利で資産を預けることが出来ますよ。

3-2. 個人向け国債

国債
期待利回り0.05%~
メリット・元本損失のリスクが低い
・手間がかからない
・最低金利が設定されている
・少額から投資を始められる(最低1万円から)
デメリット・利回りが低くお金がなかなか増えない
・中途換金すると直前2回分の利息が受け取れない
始め方取引金融機関(銀行・証券会社・郵便局など)で購入して満期を待つ

個人向け国債とは、個人を対象に国が発行する債券のこと。投資者は証券会社や銀行などで国債を購入して満期まで保有することで、満期後に元本と利子を受取れる仕組みです。

個人向け国債には、購入時の利率が満期まで変わらない固定金利タイプ(満期3年または5年)と、半年毎に利率の見直しが行われる変動金利タイプ(満期10年)の3種類があります。

国債仕組み
(引用:財務省)

元本や利子の支払いは国が責任を持って行うため安全性が高く、また年0.05%の最低金利が保障されていることに加え、銀行や証券会社、郵便局などで最低1万円から購入できるため気軽に始めやすい金融商品です。

発行から1年経てば原則中途換金も可能ですが、その場合直近2回分の利息が引かれてしまうので注意しましょう。

主婦投資ブロガーはる
金利は若干高めとはいえ、やはり利回りは低く大きな利益は狙えません。定期預金と同様、資産運用の土台として他の金融商品への投資と併用するのがおすすめです。

4.投資知識・経験が豊富な人向け

最後は少額かつ短期間でも大きな利益を狙える資産運用商品のご紹介です。ただしリスクや投機性が高く、投資初心者にはハードルが高い投資方法でもあります

大損をして備えていた老後資産を溶かしてしまった…なんてことにならないように、投資の専門知識をつけてしっかりリスク対策していく必要があります。

4-1. 株式投資

株式投資とは
期待利回り4%~
メリット・インカムゲイン、キャピタルゲインの両方の収益を狙える
・少額から投資を始められる
デメリット・値動きの幅が広く、損失を被るリスクがある
・専門知識習得や情報収集・分析に手間がかかる
始め方証券会社で口座開設・入金後、銘柄選んで購入

株式投資は企業が発行する株式を売買することで利益を狙う投資方法で、以下の2方面から収入を狙うことが出来ます。

2つの方法

「インカムゲイン」会社の利益の一部を株主に分配する配当金+株主優待。

「キャピタルゲイン」株価が安い時に購入し、高くなったタイミングで売却することで得られる差額分の利益。

数万円から投資できる株式も多く、自己資金が少なくても投資を始めやすいのもメリットの1つです。

株式投資は債券などと比較すると値動きが大きい分ハイリターンが期待できますが、反対に企業の業績や市場の値動きに左右されるため、値動きを正確に把握することが難しく投資リスクは高めの投資方法です

安定的に収益を得て行くには、激しく変動する株価の動向はもちろん、経済や企業業績などの状況情報を集めて分析する必要があり、時間や投資知識が要求されるため投資初心者にはハードルが高いかもしれません。

主婦投資ブロガーはる
中には経験を積んで成功率を高め配当金生活を叶えている方もいらっしゃいます。投資に割く時間が十分にあり株式投資の知識を付けたいという方は2000万円の一部で少額から始めてみると良いでしょう。

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4-2. 先物取引

先物取引のイメージ
期待利回り5~10%
メリット・相場の上がり下がりにかかわらず利益を上げられる
・少額から投資を始められる
・レバレッジによっては高い利益を狙える
デメリット・世界情勢などによる激しい値動きが起こるリスク
・レバレッジによって損失のリスクも高まる
始め方証券会社に口座開設して入金~注文

先物取引とは、未来の予め定められた期日に、特定の商品を現時点で取り決めた価格に基づいて売買することを約束する取引です。

先物取引では「買い」だけでなく、「売り」からも取引を始めることができるため、上昇相場だけでなく下げ相場でも収益を上げるチャンスがあります。

また少額資金を担保にレバレッジ取引を行うこともできるので、少ない資産で大きな収益を得ることも可能です。

一方相場が予想とは逆に動いた場合は、レバレッジを掛けた分、元手の資金以上の損失が発生する大きなリスクも伴います。投資する際はご自身の許容リスク範囲内で取引するよう注意が必要です。

4-3. FX(外国為替証拠金取引)

FXとは
期待利回り10~20%
メリット・相場の上がり下がりにかかわらず利益を上げられる
・少額から投資を始められる
・レバレッジによっては高い利益を狙える
・24時間取引が可能
デメリット・レバレッジによって損失のリスクも高まる
・自分が見ていない間の相場が動いてしまうリスク
始め方FX業者に口座開設して取引を始める

FX(外国為替証拠金取引)は、円・ドル・ユーロなどの通貨を売買し、価格変動による差額で利益を狙う投資方法です。

少額の資産から手軽に始めることができ、取引は24時間取引が可能なため、仕事などで日中に時間が取れない人でも夜にゆっくり取引できます。しかし、逆を言えば自分が相場を見ていない間に価格が変動しまうというリスクも伴います。

またFXも先物取引と同様、レバレッジの倍率を高めるほど少ない元手で大きな利益が期待できる代わりに、損失が出るリスクも大きくなります。

レバレッジ効果

そのため目標リターンや資金力を踏まえて自分に合った損切ルールを設けるなどの対策をすることが大切です。

このようなハイリスク・ハイリターンの投資方法では、高利回りが狙える代わりに資産の損失リスクが大きくなる上、値動きが激しいために精神的なストレスを抱えやすい傾向にあります。

主婦投資ブロガーはる
投資初心者の方が2000万円もの資産を安全に運用するのは難しいため、こちらも2000万円のうちの一部の資金で少額運用に留めるのがおすすめですね。

2000万円のおすすめ投資先【筆者ポートフォリオ公開】

これまで様々な2,000万円の運用方法を紹介しましたが、筆者の投資経験を通しておすすめしたいのはヘッジファンドです。

実際に筆者はヘッジファンドをどのように資産運用に組み込んでいるのか、運用ポートフォリオをご紹介します。

2000万円のポートフォリオ例
金融商品割合
ヘッジファンド50%1,000万円
投資信託30%600万円
国債10%200万円
定期預金10%200万円

私の場合、ヘッジファンドのハイクアインターナショナルに投資金の半分の割合を配分することで、総合的にならしで5%~8%の利回りを目指しています。

残りの半分は、リスクヘッジもかねて債券と株式の複数の投資信託に分散投資。

運用コストを最大限抑えるために、ノーロード(購入時が無料)で手数料が安いインデックス型ファンドのファンドを選定しています。

ヘッジファンドをおすすめする理由

ヘッジファンドについておさらいすると、ヘッジファンドとはファンドマネージャーに資産の運用をお任せできる投資方法です。

同じくプロに運用をお任せできる投資信託との違いは以下のとおり。

ヘッジファンド投資信託
投資家の層「私募形式」で限られた人数「公募形式」で不特定多数
投資対象なんでもあり株・債券など
レバレッジの有無基本的に無し
主な手数料成功報酬購入時・運用中・解約時
収益目標「絶対収益」(相場環境に関わらず常に収益を狙う)「相対収益」(ベンチマーク指標をクリアすれば良い)
最低投資額500万円~と高額100円~と少額
情報の開示基本的に無し

実際に個人で2000万円もの資金を運用するとなると、分散投資先の調査や選定、投資後の動向の把握などに手間暇がかかります。

さらに下落局面などで含み損を抱えてしまうと大きな精神的ストレスが掛かり、損失を取り返そうとして更に損失を繰り返す悪循環に陥る投資初心者の方も少なくありません。

ヘッジファンドを利用すれば、投資初心者であってもプロの手腕で運用できるため素人が運用するより安全性が高く、何より売買タイミングなどの高度な投資判断が不要なため、手間要らず&ストレスフリーで運用出来るのは何よりのメリットでしょう。

2000万円の運用にヘッジファンドが適していると考える二つ目の理由は、投資信託と違って下落相場でも柔軟に対応できるため、下落への耐性が強くより安定した運用を見込める点です。

ヘッジファンドと株式市場の累積リターン
(引用:モーニングスター

2000万円もの運用となれば数パーセントの値動きでも何十万もの損失が生じます。

相場の下落時に迅速かつ冷静な投資判断が出来る自信のない方は、ヘッジファンドでの運用を検討してみる価値はあるでしょう。

国内ヘッジファンド例:ハイクアインターナショナル

ヘッジファンド投資と言っても、馴染みがないしどんな会社があるのかよく知らないという方も多いでしょう。

ここでは参考として安定的な運用に定評のある国内ヘッジファンドを例にご紹介します。

ハイクアインターナショナル
引用:ハイクア・インターナショナル
公式サイトハイクアインターナショナル公式サイト
運用開始2023年
投資対象ベトナム企業
年間利回り年間利回り12%
対象個人・法人
最低投資額500万円
買い方会社に問い合わせる
おすすめ
ポイント
・資料請求のみも可能
・事業融資のため堅実なリターンが期待できる
・年間利回り12%の安定したリターン
・6年で約2倍の資産形成が可能
・投資先はメディアにも取り上げられる有名企業
・代表や投資先企業の透明性が高
注意点特になし

ハイクアインターナショナルは、2023年に運用開始をした新しいヘッジファンド。

メリット
  • 年12%(固定)の安定リターン
  • 代表や投資先企業の透明性が高い

といった点などで投資初心者にも人気を集めています。

ハイクアインターナショナルの投資対象はベトナムの関連企業「SAKUKO VIETNAM(以下、サクコ社)」。

投資家から集めた資金をもとにサクコ社への融資を実施し、サクコ社から支払われる貸付金利息の一部が投資家への配当となる仕組みです。

ハイクア・インターナショナル投資の仕組み
引用:ハイクア・インターナショナル

金融商品を投資対象とする通常のヘッジファンドと異なり、ハイクアインターナショナルでは企業からの貸付金利息が分配金原資となるため毎年のリターンを固定で受取ることが可能。

目標額達成までの期間が明確な点が投資家として魅力に感じました。

また公式サイトや代表のYouTubeでは、ハイクアインターナショナルの投資手法やサクコ社の実績などを詳しく知ることが可能。

通常のヘッジファンドとは異なり情報の公開にも積極的で、サクコ社についてはインターネットの検索でも情報収集が可能と透明性が高い点も出資に至った決定的な理由の1つでした。

管理人も投資先に選んだこのハイクアインターナショナル。

2000万円などのまとまった資産やその一部を安全にそして手軽に運用したいという方、自分で上手に運用する自信がない方には是非おすすめしたい投資先です。

資料請求や問い合わせ・面談は無料で、出資者限定ではありますが年1度の事業報告会を開催しているのも有難いポイントです。

以下公式サイトからお問い合わせをどうぞ。

\ まずは無料相談から /

公式サイト:https://hayqua-international.co.jp/

2000万円を資産運用するときに知っておきたいこと

この章では、2,000万円の資産運用を成功させるために知っておきたい投資のコツをご紹介します。

投資をこれから始めるという方も、投資の基礎知識ならすでに心得ているという方でも、基礎にしてかなり大切なことですので、今一度初心に戻ってご確認いただければ幸いです。

余裕資金で投資する

投資を行う際は、使い道の決まってない「余裕資金」で投資を運用することが推奨されています。

余裕資金とは

「余裕資金」とは

余裕資金とは、全体の資金から、日常的に生活で使う資金(生活防衛資金)と、教育や住宅ローン、万が一のときに備えておく資金(準備資金)を差し引いた、今後使う予定のないお金のことを指します。

投資における余裕資金の計算方法の一例

余裕資金の目安となる金額を計算する方法は以下の通りです。

計算方法

余裕資金=全体の資金 – (生活防衛資金 + 準備資金)

例)2,000万円の資金があった場合。

毎月の生活費は30万円であり、3ヵ月分の生活費である90万円を生活防衛資金として確保します。

2年後に車の買い替えを考えており、準備資金は300万円です。

2,000万円 – (90万円 + 300万円)= 1,610万円

よって、この例では1,610万円の範囲内で投資を考えるのが理想と言えます。

自分の余裕資金を確認せずに投資を行うことは非常に危険です。

2,000万円が手元にある方も、全て投資をしてしまう前に、ご自身の余裕資金を把握してから投資を始めましょう。

リスクとリターン(利益)の関係を知っておく

投資を始める際には、リスクとリターン(利益)の関係についても知っておく必要があります。

リスクとリターンの関係

投資の世界でリターンとは、「資産運用を行うことで得られる収益」のことです。

一方、リスクとは、「リターンが不確実である(予測できない)こと」を指します。

リスクが大きい小さい

不確実の度合い(振れ幅)が大きいことを「リスクが大きい」、小さいことを「リスクが小さい」と言い、「リスクが大きい」=「大きな収益が得られるかもしれないし、大きな損失が出るかもしれない」という意味になります。

リスクとリターンは比例する

リスクを抑えようとするとリターンは低下し、高いリターンを得ようとするとリスクも高まります。

したがって、ローリスク・ハイリターン(リスクが低く、リターンが高い)商品は存在しません。

ローリスク・ハイリターンを謳った金融商品は、投資詐欺を疑いましょう。

リスク別投資商品

そうはいっても、低リスクな商品で投資をし続けても、いつまでたっても資産は大きくなりません。

資産を大きくするためには、リスクを減らす対策をし、ある程度は許容していく姿勢も大切なのです。

ではリスクを減らす対策とはどういったものがあるのでしょうか。

それは、「長期・積立・分散投資」にあります。

次で見ていきましょう。

長期・積立・分散投資をする

リスクを減らすための対策は、投資の三大原則「長期・積立・分散投資」にあります。

長期・積立・分散投資

長期投資とは

長期投資とは、その名の通り、長い時間をかけて金融商品を保有し続け、じっくりと資産形成する方法です。

長く保有すれば、リスクとリターンの振れ幅が小さくなり、安定した収入を得る事が期待できます。

例えば、一時的に資産価値が上昇または下落したとしても、時間をかけて元の価格に戻るケースがよく見られるのです。

リスクとリターンの振れ幅比較

TOPIXや証券会社の過去のデータを見ると、金融資産は保有期間が長いほどリスク・リターンの幅が小さく、短期投資は大きいことがわかっています。

そのため、短期的にリターンを得ようとする投機商品(FXや仮想通貨、一部株式など)はリスクも高く、あまりおすすめができません。

積立投資とは

積立投資とは、例えば毎月3万円などといった金額を、定期的に・継続して・コツコツと積み立てていく投資方法です。

積立投資には、定量購入する方法と、定額購入する方法があります。

計算方法
  • 定量購入
    例)ある株式を毎月100「株」ずつ購入する方法
  • 定額購入
    例)ある投資信託を毎日100「円分」ずつ購入する方法

特に、定額で購入する方法は「ドル・コスト平均法」といって、「長期・積立・分散投資」を実施するうえで大きな役割をします。

下の表で、毎月定量購入した場合と、定額購入をした場合の例を比較し、定額購入がどのような役割をするのか見ていきましょう。

ドルコスト平均法とは

定額購入では、購入金額を一定に保つことで価格が下がった時には多くの数量を購入し、価格が上がった時には少ない数量を購入することができます。

結果、長期投資する場合、定量購入した時に比べ、定額購入した時の方が平均購入単価を下げることがわかりますね。

分散投資とは

分散投資とは、投資先や購入する時期を分散させることで、価格の変動を抑え、安定した利益を狙う投資方法です。

銘柄地域時期の分散

長期投資・積立投資・分散投資をすることで、リスクの分散を最大限発揮することができることがわかりました。

複利運用の効果を知っておく

複利運用とは、複利の運用で得た利息を当初の元本にプラスして投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことを指します。

例えば元本が2,000万円、利回り10 %で10年間複利運用をしたと仮定します。

最初の1年目は2,000万円に対して10%の利息がつきますが、2年目には利息を含んだ2,200万に対して10%、3年目には2,420万円に対して10%・・・と、元本自体が大きくなるため、利益もその分ふくらんでいくというわけです。

ちなみに、運用で得た利息を元本にプラスすることなく毎回受け取り、当初の元本の金額のまま運用する方法もあり、これを「単利運用」と言います。

単利運用と複利運用

これをふまえて複利運用と単利運用による10年後の金額を比較をすると、

5,000万円を利回り10%で10年間

単利で運用した場合:10年後には4,000万円(元本2,000万円+利息2,000万円)

複利で運用した場合:10年後には5,180万円(元本2,000万円+利息3,180万円)

と、約1,180万円もの差が生まれるのです。。

このように、投資運用をする際、単利運用をするよりも複利運用にする方が、より高い恩恵を受けられることがわかりました。

このように、投資運用をする際、単利運用をするよりも複利運用にする方が、より高い恩恵を受けられることがわかりましたね。

失敗例から学ぶ!2000万円を運用する際の注意点

いざ2000万円の資産運用を始めようと思っても、投資経験が浅いとどんなことに気を付ければいいのか感覚が掴みにくいもの。

そこで最後に、資産運用で多くの人が陥りがちな失敗事例を見ながら、運用対策を一緒に確認しましょう!

失敗例1|銀行・証券会社に勧められるがまま投資

貯金や退職金・相続金などで2000万円を手にしたが、自分で金融商品の情報を集めて投資先を決めるのは大変。

そこでまずは相談窓口のある銀行や証券会社で資産運用の相談をする方も多いと思います。

悪い例

相談員の言葉を信じきり、勧められるがままおすすめ金融商品に投資した結果、手数料が高い商品やリターンに見合わないハイリスクな商品を購入してしまい損をする。

残念ながらこのような例が後を絶ちません。

銀行や証券会社にとって商品販売の手数料は重要な収益源。

そのため顧客に本当に必要な商品よりも会社にとって利益が出やすい商品へ誘導される可能性もあるんです。

専門家の話を鵜呑みにしてその場で契約してしまわず、一度資料を持ち帰り、本当に利益の出せる商品か時間をかけて判断することが大切です

失敗例2| 同一業界内への投資をしてしまう

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資格言のように、卵を複数のカゴに分けて盛っておけば、もしどれか1つのカゴを落として卵を割ってしまっても、ほかのカゴに入っている卵は無事ですよね。

投資も同様に値動きの異なる金融商品に分散投資をすることで、値下がりリスクを最小限に抑え、長く安定した運用に繋げることが出来ます。

しかし分散投資の仕方を間違えると、次のような失敗に繋がる恐れもあります。

悪い例

株式投資で今人気の業界の複数の銘柄を購入した。どこか1社の株価が下がっても大丈夫と思っていたのに、業界を揺るがす事件が起きて業界全体の株価が大暴落して大損してしまった。

単に複数の金融商品に投資するだけでなく、食料品や化学、機械などの同じ業種ばかり、またはAIや建設業などの同じ業界ばかりに偏らないよう、業種・業界も分散して投資するようにしましょう

失敗例3|スタートが遅れて無理な資産運用に

資産運用では、時間を味方につけることが非常に重要です。

悪い例

資産運用を始めるのが遅れたため、短期間で目標金額を狙おうとハイリスクハイリターン商品に投資。更に元本を増やすために生活で必要なお金もつぎ込んだがマイナス成績で収益が出ず、生活がひっ迫してしまった。

資産運用を始めるタイミングが遅れると、目標金額を達成するのに必要な時間が減ってしまうため、より高利回りの狙えるリスクの高い商品に手を出してしまったり、無理に元本を増やし、失敗に繋がる場合があります。

以下の表は、利回り5%(複利)の金融商品に積立投資したとき、80歳までに5,000万円になるためには毎月いくら積み立てる必要があるのかを年齢別にまとめた表です。

現在毎月の積立金額80歳まで何年で5000万円になる?
20歳10,988円60年
25歳14,315円55年
30歳18,737円50年
35歳24,674円45年
40歳32,765円40年
45歳44,011円35年
50歳60,078円30年
55歳83,962円25年
60歳121,645円20年
65歳187,064円15年
70歳321,995円10年
75歳735,229円5年

80歳までに5000万円を貯めようとすると、40歳から年率5%で積立運用する場合は、25歳から運用する時の2倍ほどの金額を毎月積み立てなければなりません。

逆に、運用期間が長いほど無理のない投資元本・利回りで資産運用することが可能になります

また投資で得た利益を投資元本に組み込む複利運用の場合、投資期間が長期にわたるほど利息が雪だるま式に増える複利効果が高まり、効率的な資産形成も期待できます。

このように、

長期間の運用を目指す
当面の生活費や非常時に必要なお金を差し引いた余裕資金で投資する

を徹底し、無理のない安全な資産運用を目指しましょう。

失敗例4|投資詐欺にあってしまう

投資を始める際は誰もが「安全でリターンも大きい投資先があったらいいな」と思いますよね。

悪い例

「絶対儲かる!」「利回りを約束!」「元本保証!」などの魅力的な言葉に釣られて投資したら詐欺商品で資金がゼロになってしまった。

ここで、最も代表的な投資詐欺である「ポンジスキーム」の手口を紹介します。

ポンジスキームとは、例えば、以下のような謳い文句で投資話を持ちかけられます。

ポンジスキーム
  • 必ず儲かります
  • 元本保証です
  • 人数限定の投資です
  • 極秘情報です
  • 年利〇%は確実です など

このような勧誘で、投資家にほとんどリスクを負わせずに高いリターンを約束し、投資をさせます。

そして、後から参加した投資家から集めたお金で、先に参加した投資家にリターンを発生させる投資詐欺のことです。

ポンジスキームとは

出資者が集まらなくなるとポンジスキームは破綻し、破綻するタイミングで会社は蒸発。

会社運営者は行方不明になり、全資金を持ち逃げされるのです。

繰り返しになりますが、リスクとリターンは比例します。

「ローリスク・ハイリターン」の投資商品はありません。

リスク別投資商品

つまり、この世に「必ず儲かる」投資商品はないのです。

また投資に絶対はなく、元本保証であることを謳ってよいとのは銀行預金だけと定義されています。

投資の知識はもちろん、詐欺のよくある手口や商品事例についても勉強し、甘い宣伝文句でせっかく築いた2000万円を騙し取られないように気をつけましょう。

2000万円の運用方法まとめ

現在日本には、いわゆる「マス層」と言われる純金融資産が3000万円以下の世帯は、4213万2000世帯あります。

マス層

日本の富裕層は年々増加の傾向があるものの、マス層の割合は全体の約78%を占めており、年収がなかなか上がらないという日本の現状が現れています。

しかし、上手に資産運用をすることで、アッパーマス層や準富裕層の仲間入りも夢ではありません。

2000万円を運用することで、将来余裕のある生活を送ることも可能です。

筆者のおすすめはヘッジファンドをメインにした運用ですが、ご自身に合った投資方法で2,000万円を無理なく資産運用することが第一ということは忘れないでくださいね。

主婦投資ブロガーはる
ご自身の投資方針に適した運用方法で2000万円を安全に増やしていきましょう!

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